『混濁の夏』
カルロ・ルカレッリ/菅谷誠訳/柏艪舎
第二次世界大戦終戦直後のイタリア。ファシズム体制下でキャリアを積んだデルーカ捜査官は、一転、逃亡者の境遇へと突き落とされてしまった(訳者あとがきより)。
身を偽って逃亡中のデルーカに、ある日、パルチザン警察の巡査部長のレオナルディが声をかけ、、デルーカの偽の身分証を取り上げてしまった。そして、自分は今、初めての”政治がらみ”ではない重大事件を担当していて、それをどうしても自分の手で解決したいのだが、なにぶんにも経験が乏しい、あなたは、かつて警察学校長が”イタリア警察界最高の捜査官”とまで呼んだ刑事捜査官のデルーカという人にとてもよく似ている、だから、捜査に協力してほしい、と言い、デルーカの正体を知っていることをほのめかした。
かつては、レオナルディの言うように周囲からあがめられていたデルーカだが、現在は政治情勢の変化に呑みこまれ、身を偽っている状態で偽の身分証をレオナルディに取り上げられてしまい、正体も知られている上に、レオナルディは銃を持っている。デルーカに選択の余地はなかった。レオナルディがとった宿に泊まらされ、レオナルディの仲間や周囲の人たちには「技師」と紹介され、レオナルディの担当する事件捜査を手伝うことに……。
捜査の結果、どんな事実が判明するのか? 周囲の人間にデルーカの正体は見破られないのか? デルーカの将来はどうなってしまうのか? などなどを考えながら、どきどきしながら読みました。
この本は、「デルーカ事件簿」シリーズの2作目。時代の変化によって、追う身が追われる身に変わってしまう恐ろしい状況の中、本作の最後であることが起こるので、シリーズ3作目ではどんなふうになっていくのか、とても興味津々です。1作目を読んでいないので、1作目も是非読まなければ!
時代背景が時代背景なので暗い雰囲気が漂ってはいますが、妙にひきつけられてしまいました。
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