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2008年2月の2件の記事

『道化の死』

ナイオ・マーシュ/清野泉訳/国書刊行会

 民俗学研究者であるビュンツ夫人は雪の降りしきる中、車を運転しながら、イングランドの南マーディアンという村にやってきた。その村で行われる〈五人息子衆のダンス〉と呼ばれる豊穣の祈りを捧げるダンスについて調べるためだった。けれども、そのダンスが行われる家を訪ねても、ダンスの中心人物の家を訪ねても、ダンスについて話すことを拒まれてしまう。それでも、ダンスは一般に公開されるし、乗ってきた車が故障してしまったこともあって、ビュンツ夫人はダンスの日まで村の宿に滞在することにした。
 そして、当日、ダンスを踊っていた〈道化〉役の人物が、ダンスの途中に首を斬られて死んでしまう。だが、見物人が大勢いる中で行われた犯罪なのに、その現場を見ていた人間は一人もいなかった。スコットランド・ヤードからアレン警視を始めとする警察の面々がやってきて、地元の警察とともに捜査を始めるが……。

 捜査が進むにつれ、登場人物それぞれの抱える事情が表に出てきて、それぞれにあやしげに思えてくるあたりや、ダンスとそれについて調べるビュンツ夫人との関係についてなど、いろいろと楽しめた。途中で、「あれ~、もしかして……?」と思ったことはあたっていたけれど、それにどんな役割があったのかについてはわからなかった。なるほど~、と思いました。

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『ミステリ講座の殺人』

クリフォード・ナイト/森英俊訳/原書房

 元新聞記者のマックスは、かつてその作品を夢中になって読んだミステリ作家イーディス・メアリー・マーカーの自宅で催されているミステリ講座に参加することになった。が、イーディス・メアリーの家を訪れたその夜に、イーディス・メアリーと秘書のラヴィナが「ルスピアム」なるものがなくなったと大騒ぎをしだし、その夜遅くにラヴィナが何者かに殺される。そして、それに続いて起こる銃撃事件、更なる殺人……。
「ルスピアム」とはいったいなんなのか、そして、事件の真相は? ミステリ講座のために滞在している客の中に犯人がいるのだろうか?

 巻末には、本文中に書かれている犯人に関する手がかりが載っているので、作品を読み終えたあと、それを読んで、自分の見つけた手がかりと比較するという楽しみも味わえます。

 作者はエラリー・クイーンと同時代にアメリカで活躍したミステリ作家だそうですが、日本ではほとんど紹介されてこなかったらしいので、これから翻訳が続くといいと思います。

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