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『荒野のホームズ』

スティーヴ・ホッケンスミス/日暮雅通訳/ハヤカワ・ミステリ

 19世紀末、実際にイギリスでホームズ物が書かれていたころのアメリカ西部。

 オールド・レッドこと兄のグスタフ・アムリングマイヤーと、ビッグ・レッドこと弟のオットー・アムリングマイヤーという赤毛の兄弟は、カウボーイだ。洪水と病気で両親とほかの兄弟たちが亡くなってしまい、今では身内は二人だけとなってしまった。家が貧しかったため、ビッグ・レッド以外は学校に通うことができなかったので、字の読めないオールド・レッドは雑誌の記事などをビッグ・レッドに読み聞かせてもらっていたが、そうして読んでもらった中のホームズ物が大のお気に入りとなり、何度も何度も読んでもらっているうちに、その内容も、ホームズの謎の解き方もすっかり覚えこんでしまっていた。

 二人は同じ牧場にカウボーイとして雇われることになったのだが、そこで、支配人が亡くなり、その後、カウボーイの一人も亡くなってしまう。その謎を、オールド・レッドがホームズ張りの推理力で解いていく。そして、その話を書き記していくワトスン役は、とうぜんながら弟のビッグ・レッドだ。

 著者も、もちろん、ホームズの大ファンなのだろう。イギリスからやってきた牧場のオーナーたちの会話の中で、ホームズが実際にイギリスで解決した事件のことなどがさりげなく書かれている。西部のカウボーイとホームズというおもしろい取り合わせが、違和感なく書かれている。

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